時々、読めもしないのに新聞を買う。
政府が発刊している新聞。

新聞1ペソ
新聞1ペソ

Año 58 de la Revolución と書いている。
右の写真を見て、ふと思った。

この国の革命はまだ続いているのかも。
多分、私がこの国の事を知らな過ぎだっただけで、続いているんだと、気づいた。

親米政権のバチスタ政権を倒して革命が終わったのではなく、社会主義国となりアメリカ合衆国のいいなりにはならないと。経済制裁をされ続け、ソ連崩壊後はより経済的に孤立し、それでもこの国はアメリカの言いなりにならないと。

リビアのカダフィも殺され、イラクのフセインも殺された。パナマもアメリカのいう事を聞かなかった、誰だっけか、いたんだけど飛行機が落ちて死んだの。計画的暗殺らしい。ベネズエラのチャベス大統領は病気で亡くなった。毒殺説とかもあるけど、ま、病気という事で。

フィデルカストロが今も生きていて、この国は凛としてイデオロギーを守り続けている。

国民に不満はないと言えば嘘で、多くの国民が政府に不満を持ってはいる。この国を離れたいと思っている人たちも多い。

私は毎日、1ペソ(4.5円)のパンを食べる。
キューバ国民が配給で受け取るパン。

1ペソで二人乗れるバスに乗る。
4ペソのパイナップルを買い、10ペソのパパイヤを買う。
1ポンド4ペソのお米を買い、1ペソの新聞を買う。

キューバ政府はアメリカとの国交回復を時間をかけて進める。社会主義体制を守るという。

月に20ドル程と言われるこの国の公務員。
私の学校の先生も、バスの運転手も、パン屋のおばちゃんも公務員なんだろうと思う。

彼らがそうやって働き、暮らしている事は革命を遂行している人たちなのかもしれないとか。ふと思う。

不満を持っている人も多いと思う。日本での戦争でもみんなが日本の大義を信じ、お国の為に心から闘ったわけじゃない。

この国がアメリカ合衆国の言いなりにならない事と引き換えに受ける経済的苦境を静かに乗り切りながら生きてきた人たち。

アメリカ合衆国と言う大国、現在の覇権国家の言いなりにならずにラテンアメリカの中の小さな国では静かに今も革命が続けている気がする。

ダニエラが言う。
「ショーコはキューバ人と同じものを食べて、キューバ人と同じようにグワグワ(バス)に乗るのね」

「観光客として訪れていたころは1ペソなんてどうでもよかった。でも今は、1ペソはお金だと解ったわ。1ペソでパンや新聞も買えるし、バスに2人も乗れる」

「そうだよ。1ペソはお金だよ。ショーコのグワグワが来たよ。キスを忘れないでおくれ(←挨拶です)」

パパが笑いながら嬉しそうに言う。

今では30ペソのランチが高く感じられるようになり、殆どの場合、家で食事をする。
10だっけか15ペソほどの缶ジュースも高いと感じる。

市場で買い物をしながら、バスに乗りながら、私は外国人だけどこの国の革命の恩恵を受けていると感じる。

「革命の58年」
私は外国人として、今も静かに続く革命の中で暮らしている。