ここにいると、よく祖母の事を思い出す

ここにいると、よく祖母の事を思い出す

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キューバ



キッチンに蟻が出る。
ふと、父方の祖母の事を思い出した。

「蟻んこが出るから甘いものを残しちゃいけんよ」と、私に言いながらキッチンやテーブルを拭いていた。

自分の家のキッチンで蟻を見るなんて何年ぶりだろう。
私は比較的街育ちで、小学生になるころにはマンション暮らしだった。高校一年生の頃に一軒家に越すが、そこでしつこいほどの蟻を見た記憶はあまりない。

拭いても拭いても、蟻が出る。
アロマで拭いても蟻が出る。

キッチンに出る蟻んこたち

キッチンに出る蟻んこたち



その度に祖母の言葉を思い出す。

今通っている学校には日本文学の研究部がある。
幾人かのキューバ人学生が折り紙を折っている。

プリンターペーパーを切ったもので、日本の千代紙とは違う。
彼らは私たちが知らない物も折る。
日本の100円ショップで見たきれいな千代紙を思い出す。

「ねぇ、ゆかりちゃん(クラスメイト)、今度お手玉作らない?お豆も売ってるし、子供の頃におばあちゃんと一緒に作ったわ」

「私、針と糸持っています!」

先日は市場で豆を選んだ。

「端切れが要るね・・・。」

日本に居ると、要らない服や布切れは捨てるほどある。でも、ここの私の生活では服や布巾、すべてが必要な布きれ。私たちはこれから端切れを探す。

祖母とどうやってお手玉を作ったか、頭の中で手順を思い出す。
食べ物である小豆を布に入れるのを不思議そうに眺めた。
お手玉が形になった時の喜びを思い出す。

先日、卵の買い方がよく解らず、30個の卵を買ってしまった。
お酢もあるし、マヨネーズを作ってみようと思った。
祖母がマヨネーズを作っていたことを思い出した。

マヨネーズ

マヨネーズ


卵に何かを混ぜ、油を少しずつ入れると白くなって、固まっていった。
小さかった私はそれを不思議そうに眺めた。
出来上がったマヨネーズはいつも家で食べるマヨネーズと違う味がした。

私が小さい頃、祖母の家では毎年お餅をついた。
祖母の妹さんも来て、もち米を蒸したり、あんこを作ったりした。
小さい頃の私はあんこが嫌いだった。

NYで暮らしていた頃から私は時々小豆を煮てレッドビーンソース、あんこ?を作った。この国には豆がある。小豆に似た豆を選んで煮てみた。ちょっと違った。甘い金時豆というか、ちょっと触感と味が違った。考えた末、少しつぶしてみたらあんこっぽくなった。味も近い。
アイスクリームにかけてみた☆

アイスクリームにかけてみた☆



ふと、昔の日本には、バターや小麦粉やミルクかなりの高級品だったんだろう気づく。
小麦粉はメリケン粉(アメリカン粉)と言われていたので、明治維新以後、もしくは戦後入ってきたのだろう。
昔の日本人は、お豆を使ってお菓子を作っていた。
きな粉も大豆から。
色んなお菓子を色んな豆で作ったのだろう。

市場のお豆屋さん

市場のお豆屋さん


日本はそんな国だったんだな。と、ふと思う。

今日はスイカのお漬物を作った。
子供の頃、祖母がスイカの食べかすでよく作ってくれた。私はスイカはあまり好きじゃなかったが、このお漬物が好きだった。
親子丼とスイカの漬物☆

親子丼とスイカの漬物☆


私は好き嫌いが多かったと、ふと気づく。

私は今まで祖母が好きとか嫌いとか、あまり考えたことがなかった。
父は祖父母との関係に複雑な心情を持っていた。だからか、好きとか嫌いとかいう事も出来なかったのか、あまり考えたことがなかった。

ある日、私が多分小学生の低学年だった頃、母の日の頃だったと思う。
市場で藤の鉢植えを見つけた。
私は藤の花と藤の色が好きだった。
1200円だったか、そんな値段だった。

私はその藤をおばあちゃんに持っていった。
おばあちゃんを喜ばせようと思って、とても嬉しかったのを覚えてる。

おばあちゃんは、庭と畑を持っていて、庭にはいつもお花が咲いていた。
おばあちゃんは、庭の片隅にその藤を植えた。

私が19歳の頃に祖母は亡くなった。
祖母が危篤だという連絡をもらい、病院に駆けつけるとき、私は祖母に借りていた帯締めを袋に詰めた。父や母から祖母の事をあまり良く聞いてなかった私は、祖母が生きているうちに借りているものを返さないと恨まれるとでも思っていたのか・・・。私は苦しむ祖母の前でその袋を抱えて、それを返した。

私が30歳の頃に、祖父が亡くなった。
祖母が亡くなり、病気の期間が長かった為、庭は荒れ放題だった。

藤の木があった。
父がその木を切った時、とても悲しかったのを覚えてる。悲しいから、ぐっとこらえたのを覚えてる。

そんな事を、この前ふと思い出した。

私はおばあちゃんの事が好きだったんだと、気づいた。

物が少ないこの地で、物が増え始めた日本でおばあちゃんと過ごした時間をよく思い出す。眠っていた記憶が何かをきっかけに息をする。そんな感じ。

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