今感じる「外国人」と「キューバ人」の壁

今感じる「外国人」と「キューバ人」の壁

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エッセイ キューバ



1年目のキューバは、3週間の滞在。
スペイン語が全く解らなかった中で、初めてキューバに来た「外国人」として、色んな事が新鮮で「外国人」として「キューバ人」の友達が結構できた。

2年目のキューバは2か月の滞在。
日本で少しスペイン語を勉強したけど使えるほどじゃない。
キューピーダニーを通して体当たりでキューバの著名なミュージシャンに電話したり、会いに行ったり。でも、この年に知り合った日本人に翌年に騙されるのね。言葉が出来ない、キューバで色んな事が解らないと人を頼っちゃうんだよね。

3年目は外国人学生として8か月の滞在。
学生ビザを持って、キューバで「暮らす」を体験した。
色んな疑問や壁、問題にぶち当たりながらも、その反面、アメリカに盾をついて経済制裁されたがために不便で仕方ないこの国に居る事で私の中の何かが解決していく。

「キューバ人の彼氏なんて絶対ごめんだわ」
と言っていた私に帰国間近にとうとう彼氏ができる。
1年目に知り合ったミュージシャン。
ずっと友達だったけど、スペイン語が解らなかった私は彼とそれまでは「会話」をする事は殆どなかった。

4年目のキューバ。
私は彼の彼女(婚約者)。

結婚の書類の準備をしてはいるけど、今いろいろ悩んでる。

今まで私は一人の「外国人」として「日本人のショーコ」だった。外国人として友達も多かったと思う。

外国人の割にはキューバ人の中に溶け込んでいたと思う。でも、今気付いた事は、パウンドケーキのチョコレートのマーブルの様に溶け込んでいたと思う。食べ物も乗り物もキューバ人と同じように。私が行くレストランやカフェは私をいつも「外国人」として「キューバ人」同様に扱ってくれた。でも、マーブルの部分って、チョコレートで、そこは特別で、他の基本となる生地とは味も素材も立場も意味も違う。そのマーブルを友達たちも楽しんでくれてた。

今彼と一緒に居ると、自分が「外国人」だと強く実感する。
2人きりでいる時は、互いの違いや考え方、常識の違い。そんな当たり前な事。社会的なシステムや立ち位置からの違いもある。

でも、最近、彼と一緒に外に出ると、今まで感じなかった空気をかんじるの。

まず、私はもう、今までの一人の日本人の友人「ショーコ」じゃないというか。

私は「フェリッペの彼女(もしくは婚約者)の外国人ショーコ」。

フェリッペが友達に私を紹介する。彼は
「外国人の彼女(もしくは婚約者)を持つキューバ人」

周りから感じる空気が今までと違うの。

キューバでは、外国人の配偶者を持つと、色んな事が優遇されるらしい。例えば外国のビザが取りやすくなったり。あとは、外国人の彼女や配偶者を持つと経済的に潤う。

彼が、私の彼氏であるという事は、彼は「外国人をゲットしたキューバ人」=「経済的に潤う」「いくつかの特権を得る」
→自分達とは違う

私たちは、外国人とキューバ人のカップル。彼の周りや友人達は自動的にそう考えてしまう。そういう風にみられるというか、それを肌で感じる。頭ではわかっていたつもりだけど、今はそれを肌で「感じる」

今まで気付かなかった「外国人」と「キューバ人」の壁を感じる。

私たちを知らない人は、外国人を上手くゲットしたキューバ人、外国人に旨い汁を吸わせてもらってるもしくはそうしようとしているキューバ人とキューバ男にうつつを抜かしたもしくは、アバンチュールを愉しんでる外国人。

と見られてもおかしくない。
そんなフィルターが当たり前にある気がする。

もしも、私たちが本当に愛し合っていたとしても(互いに本当に愛し合っているってどうやって確認が出来るのか私は解らない。そもそも愛って思い込みの場合も多いと思うのね)そういう目でみられるのが当たり前なのかもしれないし、本当に愛し合っていようが、条件目当ての付き合いであろうが、外国人と一緒になるキューバ人はいくつかの特権を得る。

例えば、
終戦直後の日本で米兵と一緒になった日本人女性たち。
色々言われたと思う。本当に愛し合ってと言う人たちもいたかもしれないけど、人々の目はそうじゃない事が多かったのではないかなって思う。

あと、例えば、
お金持ちのかなり年上の男性と一緒になったら、
お金目当てだとか。

どちらの場合も、経済的な事や何かの優遇を得る為にそれを選択した人たちも多いと思う。それがステレオタイプと言うか。

外国人とキューバ人の暮らしや待遇は全然違う。
国自体が外国人をある部分では優遇しているというか。
外国人には解らないキューバ人の実情というか。

例えば、外国人がキューバ人と歩いていると警察に彼が止められ、調べられることがある。お金を渡すと解決するらしいが、咎められるのはキューバ人。
私と彼はこの近辺しか一緒に歩かないのでまだその経験はないけど、そういう事がある可能性もある。

以前、私の大家さんが私を空港に迎えに来てくれた時にそういう事があった。
あと、キューバ人の友達と歩いていたら、彼は警察に止められてた。「ショーコ!友達だって証明してくれ」って言われた。
そんな場面で外国人の私が困る事は何もない。

キューバにおいて外国人とキューバ人は立場がとても違う。

彼はキューバで生まれ育ち、キューバ人の中で暮らしてきた人。
彼にとって大事なものがその中にある。

外国人の私という存在は、今までの彼の交友関係や身近な人との関係に何かの壁を作ってしまうんじゃないか。ある部分ではひびを入れてしまうんじゃないか。何かを壊してしまうんじゃないか。

そんな事を、いつも行くカフェのお姉さんと話していた。

「ショーコ、キューバは色々難しい国なんだよ」

その向かいのカフェのママ。
彼女はいつも私にキューバ人の料金で食べさせてくれる。

「ねぇ、3日間だけお部屋がいるの。空いてる?私が泊まるの。いくら?」
「いくら払うんだい?」
「う~ん、一泊25かな」
「ショーコ、あんたからそんなに貰えないよ」

そういって、あり得ない安い価格を提示してくれた。

私はチョコレートのまま、マーブルに、溶け込んでる。

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