オイルの背景にある科学

ある研究事実の概要

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〈The Science Behind the Oils: A Summary of Some Research Factsより。〉

精油療法はずっと以前に伝統と民間療法により始まりました。何千人もの迅速なインターネット検索の研究プロジェクトは研究を国立研究所の健康と医学研究のためのウェブサイトに要約しPubMedにまとめ、1990年以降に数百の研究が行われた事を明らかにしました。

残念な事に、この研究の多くのスポンサーは製薬会社で、精油の有効性を検証するのではなく、むしろ精油科学成分をその後改質し分離し特許や医薬品として販売しています。それにもかかわらず、エッセンシャルオイルの研究は健康と癒しの分野で驚くべき潜在能力を示しています。

2007年一月、科学分野の出版物、Phytotherapy Researchは「エッセンシャルオイルとその個々の揮発性成分の薬剤学と治療の潜在力」と題する15ページの記事を掲載しました。 この非常によく書かれた資料では、270の異なる研究を引用して、エッセンシャルオイルを使った強力な癒しのために多くの、重要な可能性の優れたレビューを提供しました。記事はエジプト、カイロの国立研究センターのアロマとフレーバーの科学科の博士アムルE. Edrisによって書かれました。この優れた記事が精油の治療価値のために研究されているすべての方法をカバーしていませんが、 それは明確に精油は今や医学研究コミュニティによって非常に真剣に取られていることを確認するための十分な科学をカバーし記録してあります。

以下の要約ポイントはその記事から引用しています。

I.皮膚浸透/吸収性
a.エッセンシャルオイルの中にある脂溶性特質とテルペン成分が肌と内部組織にとても急速に浸透すると少なくとも7つの研究発表しています。

b.薬によっては胃腸や肝臓代謝に負担をかける為経口摂取(飲用)があまり適さない場合もありますが、エッセンシャルオイルは局所に塗布する事が出来ます。

c.人工的な肌浸透を促す製品と違い、エッセンシャルオイルは価格も安く中毒性も低く、しかも効果的に経皮に浸透していきます。

d. ペパーミント、スイートバジル、ニアウリ、ユーカリプトスなどの一部のオイルは肌への浸透性を高める効果があります。

II.抗酸化力
a.フリーラジカルはたんぱく質、脂肪、DNA中の生体分子の酸化を引き起こします。それは老化、動脈硬化、がん、アルツハイマー病、パーキンソン病、糖尿病、喘息等につながる変性、の環境を作り引き起こします。フリーラジカルの生産がそれらを削除する身体のキャパシティを超えた場合、「酸化ストレス」として知られる状態になります。このような状況では抗酸化物質バランスを取り戻すための体外からの供給が必要になります。

b. 多くのエッセンシャルオイルは効果的なフリーラジカルを清掃するフェノール成分の天然の供給源として示されています。次に挙げるオイルは特に抗酸化特性を有する事が発見されました:クローブ、シナモン、ナツメグ、バジル、オレガノ、タイム。それらの抗酸化作用はチモールとカルバクロール高い含有に起因するものであった。

c. その他のエッセンシャルオイルで抗酸化の特性が証明されているのはメリッサ、ティーツリー、シトロネラ、ペパーミントがあります。

III.抗菌性
a.エッセンシャルオイルがリステリア菌、サルモネラ菌、大腸菌、赤痢菌、桿菌、およびブドウ球菌等の病原性細菌株の多くに対する抗菌剤である事を立証するリサーチは繰り返し行われました。

b.エッセンシャルオイルの中で際立つ抗菌性が解明されているものは、オレガノ、タイムでその中に含まれるカルバクロールとチモール成分によるものである。

c.抗菌性のエッセンシャルオイルでその他の顕著なオイルはティーツリーオイルで、病院においてスタッフや患者の感染を低減するために試験を行い証明されました。従来の消毒薬とは事無い、皮膚に問題を起こしたり、皮膚の保護細菌叢に影響を及ぼさなかった。

d.エッセンシャルオイルは驚くべき事に、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を含む抗生物質耐性菌の多くの種類の多剤耐性の病原菌に対して安全かつ有効であることがテストされ証明されました。

e.胃潰瘍の主な原因として認識されているヘリコバクターピロリ菌はカルバクロール、イソオイゲノール、シトラール、サビネンが含まれるエッセンシャルオイルにより制御することができる。これは、オレガノ、タイム、バジル、レモングラス、クローブエッセンシャルオイルに含まれます。

f.エッセンシャルオイルはマウスウォッシュとして経口的に使用する事により口と歯の病原菌を制御しとくに有効であることが証明されました。エッセンシャルオイルのマウスウォッシュは抗歯垢と抗歯肉炎活性のあるクロルヘキシジンと同じ位効果的であるという事が証明されました。

g.エッセンシャルオイルは細胞膜を透過することによってバクテリアを殺します。そして、エッセンシャルオイルをより浸透するようにします。結局は生活細胞含有量の欠損および細胞死という結果に終わります。

IV.抗ウィルス性の発見
a.多くの場合エッセンシャルオイルは合成抗ウィルス薬に変わるもので、同等もしくはより効果的でまた体に対してそれ程有害ではありません。

b.エッセンシャルオイルにある成分シトラールとシトロネラール(メリッサとシトロネラ)は単純ヘルペスウイルス2を殺し進行を遅らせることが明らかになっており、レモングラスのエッセンシャルオイルは高い希釈率でも単純ヘルペスウィルス1を殺す有効性が解りました。

c.ペパーミント、ティーツリー、ユーカリも単純ヘルペスウィルス1と2に対する殺ウィルス特性を実証しました。

d.エッセンシャルオイル対インフルエンザ、肺炎、肝炎を含むウィルスに対するリサーチは今も継続中である、

V.吸入した場合の影響
a.エッセンシャルオイルの吸入は中枢神経をコントロールする重要な役割があります。

b.ジャスミン、シダーウッド、ラベンダーは吸入する事での脳への鎮静効果が示されました。

c.エッセンシャルオイルの吸入は交感神経を活性化させ著しい変化を与えます。例えばブラックペッパー、フェンネル、グレープフルーツの吸入は交感神経の活動を相対的に1.5〜2.5倍に増加させました。これとは対照的に、ローズやパチョリの吸入は相対的に交感神経の活動を40%減少させました。

d.ラベンダー、ペパーミント、ローズマリー、クラリセージエッセンシャルオイルを吸入すると、不安やストレスに伴う症状を軽減する事ができます。

e.ホルモンレベルでは、ブラックペッパーの吸入はアドレナリンレベルの1.7倍の増加を誘導し、ローズオイルの吸入はアドレナリンのレベルで30%の減少をもたらした。

f.ペパーミントの吸入は、肺結核の治療に有効であることが示されている。

VI.局所効果
a.エッセンシャルオイルを局所に適応する事により、慢性気道閉塞患者に対して肺粘液のクリアランスに前向きな影響を示しました。

b.ラベンダーをジェルに入れて局所的に使用する事により、気分を改善し人々がよりリラックスさせる効果がありました。

c.アレルギー、リウマチ、関節炎などの炎症性の疾患は多くの場合マッサージ療法により軽減される。

d.アレルギー症状はティーツリー、ラベンダー、ゼラニウムのエッセンシャルオイルにより主にヒスタミン放出の抑制によって緩和されています。

VII.心臓血管への恩恵
a.アテローム性動脈硬化症は、プラーク(酸化低密度リポタンパク質またはLDLの)の堆積物が動脈の内層に蓄積するプロセスです。このプラークは、最終的には著しく血流を低減させ心血管疾患につながります。アテローム性動脈硬化症は酸化防止剤の高摂取量を用いてLDLの酸化を防止する事により進行を遅らせ抑制する事が出来ます。

b.特定のエッセンシャルオイルとそれらの揮発性成分は脂質部とLDLのたんぱく質部分の両方の酸化を効果的に抑制する事が出来ます。クローブ、タイム等のフェノール類が豊富なオイルはLDL酸化に対して高い抗酸化活性があります。

c.また、モノテルペンはɣ-テルピネンはLDLの酸化を阻害することが発見されました。ティツリーとマジョラムはɣ-テルピネンのが豊富である。

d.一部の精油は実際に血中トリグリセリドのレベルを下げることができます。ある研究では、ディルのエッセンシャルオイルは、約42%トリグリセリドのレベルを減少させた。

e.アテローム性動脈硬化症の結果の1つは、高血圧である。そして特定のエッセンシャルオイルは高血圧に対して中和作用がある事が実験室において示されました。バジルのオイルの静脈内投与は血圧と心拍の減速と低下を誘発しました。これは血管拡張作用によるものであり直接血管平滑筋に作用しました。

f.血栓(血の塊)は心血管疾患に関連付けられている問題であり、脳卒中だけでなく、心臓発作になる可能性があります。人工血液の抗凝結(抗血小板薬)は、多くの場合、血液凝固を防ぐために心血管疾患の治療のために処方されています。多くの血液希釈剤はネガティブで危険な副作用を有します。クローブ、ラベンダーなどの特定のエッセンシャルオイルはネガティブな副作用のない効果的な抗血小板薬であることが示されています。

VIII.抗がん性
a.大部分のがん科学療法は、癌細胞集団のターゲット増殖とする高度な細胞有害薬を使用します(訳が確かではありません:Most cancer chemotherapy makes use of highly cytotoxic drugs that target proliferating cancer cell populations.)。これらの有害薬は無差別に正常な細胞とがん細胞を同様に攻撃し、副作用をもたらし投与可能な抗癌剤の量を制限します。エッセンシャルオイルに注目されている問題はその作用に関するメカニズムと作用で、エッセンシャルオイルは従来の科学療法とは異なり癌細胞により具体的に焦点を当て、少なくとも部分的に差別的であり、正常な細胞に対しての少ない影響を有するという事です。

b.エッセンシャルオイルは発がん物質がDNAを危うくするのを防ぐ際にまた癌の進行を遅らせる為に一度保留をし阻害し、腫瘍細胞再生を介す、もしくは腫瘍細胞死の速度を加速させる両方のがんの戦いに役立つことが示されています。例えば多くのエッセンシャルオイルにみられるモノテルペンは乳がん腫瘍に対して両方の方法で作用する事が示されています。

c.ナツメグとレモングラスも肝臓や皮膚がんを引き起こす発がん活動を中和するのに効果が示されている。

d.スイートオレンジとスイートフェンネルは高いDリモネン成分が肝癌に対してプロテクトする能力について繰り返し研究されています。

e.スイートオレンジは皮膚がんの科学的予防の為の候補になっています。

g.エッセンシャルオイルは研究所の実験において、大腸がん、胃がん、肝がん、肺がん、乳がん、白血病等のいくつかの他の人間のガン細胞系の上で、ガン抑圧する活動を示しました。

h.ゼラニウムの中に少量、パルマローザの中には大量に見つかっているゲラニオールの成分は結腸癌の増殖を抑制するうえで効果があることがわかった。

i.オレンジ、スペアミント、レモンのエッセンシャルオイル中の主要成分であるɗ-リモネンはラット及びマウスを用いた実験において、胃癌、肝臓癌及びリンパ腫においてアポトーシスの誘導物質であることが示されている。

j.ラベンダー、ペパーミント、スペアミント、レモングラスのエッセンシャルオイルに少量発見されているペリリルアルコールはアポトーシス腫瘍を刺激する増殖を阻害し、科学療法に対する腫瘍細胞の耐性を克服するため抗癌剤としての可能性を秘めています。これは、前立腺癌、乳癌、大腸癌を含む研究で実証されました。

k.1,8シネオールとして知られるユーカリプトールはユーカリとカルダモンのエッセンシャルオイルに高濃度に含まれており、白血病細胞においてアポトーシスを開始させることが示されている。