「捨てる物があればゴミ捨て場にもっていくよ」
昨日の晩、ルームメイトが私に声をかけた。
去年スーツケースひとつ+アルファの旅から戻って沢山の荷物、使っていない物が私の部屋にあることに驚いて気が狂ったように荷物を袋に詰めた。なんか不安で捨てられずにそのまま半年、5袋位の不要な物を使わない部屋に置いていた。
旅の出発も近づき、この部屋も出て行かなくてはいけない。荷物を整理しなくてはいけない。先月からまた荷物の整理をしている。
8月に帰ってきた翌日、ルームメイトがこの街を出てきたいと言った。今の家は20年前に亡くなったお彼の母さんのマンションで、私がこの家に来た理由の一つは彼女の遺品の整理でもあったの。沢山の物が時間が止まったまま残されてた。当時21歳だったルームメイトは多分荷物の整理の仕方が変わらず、そのまま十数年がたった。
死ぬときには荷物が少ないほうがいいな、と思った。
彼は長年住んだ東京でこれから歳を取っていきたいと。41歳で仕事を探すリスクも大きいので、足は引っ張りたくはなかったが、旅で色んな刺激を受けて、混乱して疲れ果ててた時に、突然の事でかなり困った。
今のこの街で部屋を借りるか、福岡市に引っ越すか、首都圏でもいいかな、とか、でもどれも笑っている自分が見えなかったの。キューバの友達の体調がかなり悪い事が耳に入り、数か月考えた末にキューバ行きのチケットを買った。
3月から、クリスタライズの住所が変わります。
〒802-0004
福岡県北九州市小倉北区鍛冶町1‐2‐9
「珍竹林」内 クリスタライズ
「昌子に言っとけ、ちゃんと「珍竹林内」と書かんと郵便物が届かんかもしれんぞ」。社長が心配してママにいう。
「ママぁ、あのさ、どうしてキューバに行くか訳解んない・・・ああああ、めんどくさいし、不安だよ。」
「昌子ちゃん、何も心配せんでいいけとにかくキューバに行ってきなさい」ママがいう。
珍竹林は、私が23歳位かな、その頃からお世話になっている方の経営する割烹。バブルの頃にはクラブやスナックをいっぱい経営していたの。そこでお金を貯めてはニューヨークに行っていた。
そういう人たちが居てくれるから遠くに旅立てるんだと思う。
私の荷物は最小限にして出発前にトランクルームへ。
だから今、荷物整理。
昨日、ゴミ置き場にもっていく荷物を整理しながら。
必要だったもの、過去に自分を育ててくれたものもたくさんあるけど、私はこんなに沢山の無駄な物にお金とスペースを費やしてきたんだと。
ゴミ袋の中身を見つめながら、「全部金じゃん・・・こんな物の為に働いてきたのか?」
悔しくて、ルームメイトにブツブツ言った。
過去のお役目を果たしてくれた沢山の物と多分ちょっと不安で沢山の物を買ってしまう自分にサヨナラしようと思った。
出発は3月22日で、オランダ経由で日本時間の3月24日の朝にハバナに到着します。
クリスタライズは3月23・24日は休業で25日から営業になります。
ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。