何人ものキューバ人や、特にダニ子を見ながら、彼らの貧しさは何なんだろうと、悩んだことがあった。今も悩んでる。

良くなれば、と思って何かをあげても、1~2年すれば失くしていたり、壊していたり、見るも無残になっていたり。

この4年間で、彼女の携帯電話やスマホは4~5回変わってる。

初めての年に買ってあげたフライパンは翌年にはボロボロだった。でも、彼女は嬉しそうに「ショーコに買ってもらったフライパンだよ!」と見せてくれた。

ダニ子や一部のキューバ人と関わっていると時々、「破れたザル」のように感じて、腰から力が抜けるような感覚になる。

前の彼氏に貸していたタブレットは私の手に戻ってきたときにはボロボロで、色々壊れてて、画面のタッチも出来なかった。どうやったらそんな風になるのか、理解が出来ない。

そのうち、ダニ子に何かをあげる事が嫌になった。キューバを引き揚げる時も壊れてもいいものやどうでもいいものしか彼女には残さなかった。大切に使ってくれる友人に残した。

 

数か月前にまたしても、ダニ子はスマホが壊れたという。壊すような扱い、壊れるような扱いをしているのだとは思う。私に心配させないようにか「マイアミのお姉さんが多分助けてくれるから大丈夫」と、言った。

彼女が壊さなかったら、マイアミのお姉さんに負担をかけて助けてもらう必要はない。4年ほど前に、マイアミのお姉さんに会った時、お姉さんのスマホの画面も割れていた・・・。

 

ダニ子にいつも言っていたのは、

「物を大切に扱うという事は、お金を倹約することになるのよ」

「スマホはおもちゃじゃないの。それをうまく使えば仕事も出来て、お金を作る事が出来るの。絶対に子供に触らせたら駄目よ!」

こんなことは言いたくない。でも、言わないとどうしようもない。破れたザルでは困る。きりがない。貧しい事やそこから抜け出せない事は当然なんだとも思う。

 

想いだすと、弟のスマホの画面はよく割れていた。

若い頃、まだ姉と仲が良かったころ、服の貸し借りをする事があった。姉の服を借りると、まだ買って1年にもならないのに、もうボロボロで沢山のシミがついていた。姉に服を貸すと食べこぼしや飲みこぼし、ボールペンなどの汚れが付いていた。姉の車はいつもごみが沢山で、洗車する姿なんてほとんど見なかった。

姉は自己破産した人。弟も、姉も、破れたザルを父が補ってきた。彼らを見ていると、物を大切にしないのも、ザルが破れている事も、キューバ人だからというわけではないとも思う。

母も、ものを大切にできない人だった。掃除も下手で、家はどんどんボロボロになる。特に、キッチンやお風呂場は酷かった。

父は、洗車が趣味ですか?というくらい、よく洗車に行った。機械は使わず、すべて手洗いで、ワックスにもこだわり、細かい傷がつかない様に。子供の頃はよく手伝った。洗車が終わらないとどこにも連れて行ってくれないから。

そんなお陰か、私はいつもきちんと洗車をする人だった。きっちりワックスやコートをして水をはじくようにした。そうすると汚れもつきにくいし傷みにくい。父の車のマット洗いもよくさせられたので、マットが汚れる事もよく解っていたから、私の車は土禁にしてた。

車体に傷がつくとそこから錆びるから、何かあるとすぐに対処した。

キレイに、丁寧に扱うと、ものは長持ちをする。

 

もしかしたら、私はけっこう物を大切に扱う方なのかもしれない・・・。

家の中を見渡すと、電気ポット(写真)、圧力鍋、ハンドミキサー、そういったものの多くが17~19年使ってる。今も現役でキレイなもんだ。スマホの画面を割ったことは今のところまだない。

私は、車はきれいにしていたけど、おうちの掃除や整頓は苦手だった。そんな私も、気が付けば、おうちの中をまぁまぁ、キレイにし、清潔に出来る人になれたなぁと思う。

何がそうさせてくれたんだろうと考えると、いろんな人との暮らしや経験も大きいと思う。私は旅先で共同生活をすることも少なくなかった。汚いという感覚は人それぞれだけど、一緒に暮らしていて誰かが汚くすると、気分が悪い。だから、自分はそうしない様にとか、どうしてその人はそうやってしまうのかとか、考えながら、滞在しているシェアハウスの中の動線を変えて行ったりした。

4年前に、NYで数か月、シェアハウスの掃除のバイトをした。4~5軒担当をしてたの。その時にも、どうしたらこの人たちは汚さなくなるのか、という事を考えながら、動線を考えながら色々やった。カオスの様なシェアハウスも少なくなかった。汚れが多いと、翌週の私の仕事に影響をするわけで、そんな無駄な非効率的な仕事はしたくない。いかに彼らが自然な動きの中で部屋を汚さないようにできるかを考えた。汚させなくなると、作業も効率よくできるので時間が出来る。それでまた別の個所をまた改善させていく。

一月後、そのシェアハウスのスタッフたちに驚かれた。

その時に、大活躍をしたのが、例の手作り洗剤で、あの動画はその時に滞在していたシェアハウスのキッチンで撮った物なの。

 

その数年後、珍竹林のママの家に滞在して学んだことも多くある。

ママとご主人は、かなりのキレイ好きで、家の中はぴちっと片付いているの。彼らがどうしているか。また、彼らの家にいる以上、彼らのルールを知らないと暮らせない。彼らを見ながら、彼らの中で暮らしながら、清潔でキレイな空間で暮らすという事が、当たり前になっていった。

経験、環境、それと考える事で、片づけられるようになると思う。

キレイで清潔な中で暮らすことが不快な人は少ないと思う。私ですら、家がきれいで清潔だと心地がいい。

それでも、まだ、ちょいと、整理整頓は上手じゃない。

だから、出来るだけ、整理整頓をしやすいように家の中の物や動線を決めてみたりする。

どうして、どういう原理でそこが汚れるのか。どうすれば汚れないのか、掃除しやすくなるのか。掃除や整理整頓が出来ない親や環境で育った私にはやり方や経験がないから、そこをじーーーーっと見つめて、考えて私なりの方法、私にとってやりやすくて合理的で効率的な方法を考える。まだまだ挑戦中。

変なもので、きれいになると、掃除をしたり、磨くことが楽しくなってくる。ふっとした時に、うっかりすると、やらなきゃいけない事そっちのけで、あっちこっち磨きだす。例の洗剤で。

 

キレイに、清潔にしておくと、ものを大切に扱うと、色々なものが長持ちする。

お風呂の椅子も、キッチン用品も、家も、車も。

父は、家を建てて、その支払いのために必死で働いてきた。何年か前に、「家の支払いがあと5年で終わるぞ」と嬉しそうに言った。母は手入れを全くしないので、というか出来ない人だったので、家はどんどんボロボロになってた。そういった性格のずれは、父にとってはどんどんストレスになって行っていたから、母にもよく当たってた。でも、母は出来ない人で、悪気があるわけじゃない。だから母も理解が出来なかっただろうし、片づけたくでも、キレイにしたくても、やり方が解らなかったし、どうしようも出来なくて、父からきつく当たられていた。でも、父もギリギリまでいつも我慢をして飲み込もうとしていたんだと思う。

物を大切に扱う事。は、人の気持ちを大切にすることでもある気がする。

長持ちをするから、倹約につながる。

家計も助かる。

 

部屋を片付けられないのは「心」、感情が関係しているケースも少なくないとも思う。その事はまた今度書くね。