日本の経済とか未来とか、厳しい気がする。

そんな事を先日友人と話していた。

どうしたらいんだろうね、なんて言っていたら、ふと「日本人は潰すからなぁ」とこぼれた。だからイノベーションとかも遅れてしまったんじゃないかと。経済も物価も止まって30年。もう手遅れな気もする。

日本人は潰すし、足を引っ張る。だから伸びにくい。それは日本人に限らないかもしれないけど、日本はかなり顕著な気がするんだ。

20代の頃、当時ピアノを習っていた先生に日本に帰ると言うと、「帰らないほうがいい。潰される」と。

その頃はその言葉の意味が解らなかったけど、今はよくわかる。30歳の頃にあった。今でもトラウマになっていて、日本のミュージシャンとはやりたくない。音楽が楽しくなくなったし、苦しみになった。

変わった人や、出る杭は打たれるのか。

そういえば、ニューヨークに居た頃、誰かが「打ってもだめなら、最終的には引っこ抜かれるんだよ」と言った。

日本人は足を引っ張るから付き合わないという日本人もいた。

アメリカとかはもっと熾烈な競争社会とかあるかもだけど、おおらかさもある、と思う。

競争の相手じゃなければ、そのおおらかさに触れることが多いかもしれない。日本は関係ない人も何気に潰す。

私がお世話になったアメリカ人のミュージシャンたちは高齢だったから大らかだったし、心が広かった。キューバのミュージシャンたちはもっともっとおおらかだった。

日本で出会ったジャズミュージシャンは、間違いとかに厳しかったし、辛辣なこと言われたりもした。

間違わないように、言われないように、と歌っていると、苦しい。歌わなくなった。歌えなくなった。

これは音楽の世界だけで起こる事じゃない気がするんだ。

うまく立ち回れない人は、潰される・・・のかも。ホリエモンとかもね。

今の日本は、出る杭はネットとかで寄ってたかって打たれてるようにも見える。

ネットとかの匿名性のあるものはかなり顕著だ。(多分、彼らは面と向かっては言わないのかもね)

どうしてこんな風になったのだろう。

それより、どうして日本人は「潰す」のか。なんだけど、そのひとつは、自分を殺して我慢してきた人が多くて、自分を殺さないで我慢しないでいる人が許せないとかもあるかも。そういう人たちが匿名性があり、本人だと解らないところで辛辣なコメントになったりするんじゃないかと。そういう風な形で内側にあるストレス、抑圧されたものがこぼれてしまうというか。ある意味発散しているとか。

自分を殺す人は、歪んでしまうと思うんだ。

私もそういう部分があったと思うし、今も残っている部分もある。だから他人の事にあまり目を向けない様にとか、自分の事に集中するように心がけてる。

失われた30年と言われる停滞を巻き返すことはかなり厳しいと思う。

どうして失われたのかと考えると、1980年以降に慢心してしまった部分もあると思う。どうして慢心してしまったかと考えると、戦争に負けた事で心に歪を抱えてしまったのかもとも思う。コンプレックスを抱えてしまったんじゃないかと。でも、あそこまでがんばってこれたのは戦争に負けてとてもとても悔しい思いをしたからなのかもとも思う。

1990年代初期、ニューヨークに居た頃、アメリカの永住権を取っても、永住権を手放して日本に戻る人が多いとよく耳にした。アメリカより日本の方が安全だし、経済も安定していたし、暮らしやすかったからだとか。中国人や韓国人は自分たちの国がそうじゃないから必死だとか。今では韓国の方が日本より最低賃金が高いらしい。

今は、皆保険があって、3割負担で、高額医療は戻るとかの日本で暮らしたいと思う。キューバは医療費が無料というけど、実際には薬が手に入らなかったり、いい医療を受けたかったらそれなりにお金がかかるらしい。

アメリカの医療制度は恐ろしく高額だ。

若い時は、医療制度の事などあまり考えもしなかった。そこそこ健康な体を与えてくれた両親に感謝だ。

私たちの年齢では、今更海外に拠点を作れる体力や健康はよほどお金がないと厳しいと思う。でも、若い人たちは、海外に出る事を選択肢に持ったほうがいいんじゃないかとも思う。結局日本で暮らす事になったとしても、いろんな経験が出来るし、視野も広がる。日本があまりよい経済じゃなくなったとしても、日本で暮らすというのはその人の選択肢の中にある一つの選択になると思う。

自分で考えて選択する事。それが生きる上でとてもとても大切な事だと思う。

日本がどんなになろうが、文句を言っても仕方がない。文句を言うよりやれることはいろいろあると思う。誰かのせいにする人は決して幸せにはなれないと思う。

私は日本というか、地元が、苦しくてしょうがなかったから出て行った。ここが居心地がよかったらら出て行ってなかったかもしれない。でも出ていけてよかったと思ってる。で、結局ここに帰ってきたけどね。でも、出ていく前と、今の私は全く違う。いろんな経験をしたし、視野も広がった。世界中どこに居ても、私は私で大して変わらず、家とスーパーマーケットが好き。

で、日本という国家が私の家で、国民としての最低限の尊厳は守られる。何といっても、この国の治安の良さは奇跡の様に素晴らしい。そういう事を本当に思えるのは、いろんな国に行ったり、暮らしたりしたからだと思う。

もう妙な欲も少ないので、人との関りも少なくていいし、もう人生折り返して下り道なので、潰されることもあまりないと思う。

「日本人は潰す」というのは、脈々とまだ続いていると思うし、まだ続くとも思う。多分ね。簡単には変わらないと思うな。

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あと、これは、私の勝手な考えなんだけど、第一次世界大戦はイギリス。第二次世界大戦はアメリカ。覇権国の言語は英語で、あの頃にはもうすでに今日までの未来計画のようなものがあったんじゃないかとも。というのも、今の世の中で、英語がわかる人と解らない人とでは情報の量はかなり違うし、ビジネスチャンスもかなり違う。GAFAって全部アメリカの企業なんだけど、英語や多様性がある事での利点が大きい気がします。あと、大人が若い人を潰さないのもあるかもね。